最後の外出で三鷹第一クリニックの宇井先生を尋ねた。さまざまな
アドバイスをいただき、時々診察に来てくれるという。宇井先生は幾
つものクリニックや介護ホームを経営し、それらを毎日巡り歩くような
典型的なハードワークドクターだが、なんとも心強いことです。みんな
よく自宅介護を決心したといってくれるが、実のところ他の選択肢は
ない。多くは介護施設などに預けてしまうようだ。確かに病院ではそ
ういう老人と数多く接した。でも、ずっと自宅介護で見守り続けた人も
私の周囲には数多くいる。みどり先生の先輩の平石先生がそうだし、
本村教授夫妻もそうだったという。私も含めてそういう人たちはある
程度経済的にも仕事の面でも余裕のある立場とはいえるかもしれな
いけれど、おそらくそういうことで決まることでもないだろう。私には
みどり先生の幸せそうな顔が何よりもの生きがいとなるし、それ以上
の生きがいが存在するわけではない。明日の正午に山野みどりは
退院します。
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