帰宅

タイミングよく朝にフローリングと簡易トイレが届けられ、みどり先生の部屋が
出来上がった。セラピストさんに付き添ってもらって初めて病院を出て家に
向かったが、セラピストさんが固まっていますね、というほど緊張している様子
だった。家までの道のりはさほど困難ではなく、家に着いてベッドに横たわる
と急にリラックスして、この上ないほどの幸せそうな顔つきで「ここ私の家なの
ね」と、私を見つめていた。最初から何度もいって納得してもらってはいるのだ
が、すぐに帰るというのは心残りなようで、病院に戻ってからは機嫌が悪くなっ
た。そんなみどり先生を見ると一刻も早く退院に向かわなければと思う。金曜
日には夕食を家で取って少し長い滞在にしようと思う。月曜日から火曜日へ
は最初の宿泊をして、21日から23日まで2泊し、27日には退院にこぎつけた
いと思う。あの幸せそうな顔を見ていると、きっと退院すると彼女の状態もぐん
と良くなりそうに思える。明日は彼女の退院に向けてテレビやオーティオセット
を買いに行こう。トイレはやはり簡易トイレでなければ難しく、入浴は介護師さ
んに来てもらって家で行い、月に2回程度、ショートステイで入浴ということに
決めようと思う。あとは私の仕事のときの留守番を何とかしなければならない。

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