クリニックヴェルデの負債を係争中の一件を除いて支払い終えた。
銀行、生保、証券、税務なと゜の手続きの多くも終了し、もう湯島、本
郷近辺にはさほど用事もなくなった。良くやったと思う。金銭面でもみ
どり先生が高額の生保をかけていてくれたお陰で問題はなくなり、ほ
とんどの問題は解決した。もう大量の書類も片付けて良く、私の家も
引越しの準備に転換することができる。今度はめじろ台にトランクルー
ムを借りて、私の膨大な図書を預けたり、棄てるものと新居に入れるも
のを分けていかなければならない。5月に退院予定だったので、全てを
この時期までに可能なようにすすめてきたが、8月退院に延期になって
かなりの余裕もできた。これからの生活は過去とは一変して大きな制約
のあるものとなるが、一人の生命を守りながら生きるというようなことは世
の母親の全てが行っていることで、さほど特別なことではないとも思う。
昨日は久々に晴れたので、みどり先生を車椅子に乗せて病院の外に出て
みた。そよ風が気持ち良いかと思ったが、彼女は早く病室に戻りたがった。
外の世界へ出ることが嫌という気持ちがあるようにも思える。部屋へ戻っ
て、レモンをしゃぶり、ウォークマンの音楽を聴き、じっと私の顔を見続けて
いるのが最も楽しそうに見える。彼女は私よりずっと早く、新しい生活への
転換を済ませてしまっているようだ。宇井先生は今のみどり先生が最も幸
せなのではないだろうかという。みどり先生のさまざまな苦労や医師として
の責任感、さまざまなことに追い立てられる日々をよく知っている宇井先生
にはそう考えることが不自然ではないとも思う。強いみどり先生のみを知っ
ている人にはむしろ地獄のような生活と思えるかもしれないし、彼女にもそ
う思えたこともあっただろう。でも今のみどり先生はしっかり今の自分のあり
方をとらえて、そこでの最良の生き方をしようとしていると思う。
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