私は目が良くて眼鏡に全く縁がなかった。さすがに最近は小さな字が
読めなくなり、仕事で眼鏡を使うようになったが、みどり先生の眼鏡が
壊れたのでメガネスーパーへ行くと無料で修理してくれた。それならと
私の眼鏡をもう一つ買うことにして、仕事のときだけでなく、映画とかオ
ペラを観るときにも使えるものを買い。以前から使っていた老眼鏡のレ
ンズが痛んでいたので取り替えることにすると、レンズ代と新たに買うの
と同じぐらいかかってしまう。それでもう一つ買うことにして10万円台の
買い物となった。でもレンズの痛んでいた眼鏡も無料で修理してくれた
ので、なんとなく悪くない気分だった。こういうのが商売上手というのだ
ろう。メガネスーパーの株でも買おうかな。
永生病院に着くとみどり先生は車椅子で顔をうつ伏せている。径管を
抜き取ったところだと看護師さんがいって、私が「また抜いたの?」と
いうとびっくりして顔を上げた。とても嬉しそうな笑顔だった。取り合えず
ベッドに運んでもらい、径管を抜くのはいかにみどり先生の身体のために
良くないかと説教をすると、うーうーと抗議する。私が手を差し出すとやは
り噛み付いた。彼女には自分からの攻撃手段は他にない。内出血で真っ
黒になったが、それで機嫌が良くなった。噛んで気が済んだというより、私
が手を差し出したことが嬉しかったのだろう。もう一度差し出すと、今度は
噛む真似だけをした。夕食もよく食べてくれた。チーズケーキを完食し、グリー
ンピースのスープを半分ぐらい。プディンも半分ぐらい食べ、径管の間も我
慢していた。ベッドに入ってかなり経つとやはり径管が気になって、何度も
手を持っていく。そのたびに注意されて止めるのだが、本当に痛いのだろ
うと思う。私が帰ってから抜いているかどうか・・。
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