朝からあちこちに電話をかけまくって、成人後見人の手続きについて
問い合わせた。やたらと大量の書類を求めてきたのは1行だけで、他
は比較的常識的な手続きで済みそうだ。カード会社と保険会社の提携
した所得保障保険について、保険会社に問い合わせると、その会社の
山野みどりの保険は医療保障保険だけだという。医療保障保険は解約
したいというと、医療活動を停止しても後に医療事故や後遺症を訴える
人がいる可能性もあるので、続けたほうが良いといわれた。ごもっともな
ことなので4月まで継続しておくことにした。でも所得保障保険は見当たら
ないというので、カード会社に問い合わせたら、保険は別のところで扱って
いるという。ついでにカードの住所変更を頼み、その別のところに電話を
すると、受け付けるのはこちらだけれど、保険内容については保険会社
なので、保険会社に問い合わせてお返事するという。なんとも複雑なこと
で、もしカード会社も保険会社も世界的な大手でなければ、巧妙な詐欺と
思ってしまうだろう。そんな電話を続けていると3時を過ぎたので、急いで
永生病院に駆けつけた。今日のみどり先生は最初何かに怒っていて、包
帯に噛み付いたり、食事の管を引っ張ったりする。次にはなにやらにやに
やと笑うようになり、次には泣き出した。ベッドに戻ると急にご機嫌になって
紅茶を指で舐めさせると美味しそうに舐め続けた。その後はとても美しい
顔になって私をじっと見つめていた。看護師さんの話では昼のリハビリから
具合が悪そうで、セラピーさんが心配していたという。「でも、食事のときは
とても綺麗でした」というので、ずっと同じ状態だったのだろう。4か月も病院
にいれば苛立ちはわかるけれど、径管をつけたままの彼女がどうしてあれだ
け美しい顔をしているのかという点ではどうにも不吉なものを感じてしまう。
とても愛おしく、とても神秘的で、怖くなってしまった。日によってさまざまな面
を見せるのはみどり先生の常ではあったが、こういう激しい変化は初めてと
思う。悪い予兆でないことを祈り続ける以外にない。
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