仕事を打ち切ってめじろ台へ向かうと駆け出したくなる。病室で静かに
私を見つめるみどり先生を見ると、さまざまな不安もどこかに消えてしま
う。首を振る時間がぐんぐん増えていて、もう浅い眠りにも首を振ったま
まとなっている。でもそんな彼女がさほど変に思えず、彼女なりにバラ
ンスの取れた行為にも思える。覚醒したての頃は常に片目だけを開い
ていた。その後は歯をかみ合わせるようになった。そして首を振るよう
になった。変化しているのだから、また次の行為に移っていくのかもしれ
ない。今日もいろいろと喋ったが全く聞き取れなかった。看護師さんに聞
くと便秘だという。何か不快感があるとじっとしていられない面もあるのだ
ろう。歯が痛かったときのように顔をしかめることは少なくなった。何度も
何度もこのようにわからない状態がやってきて、また明るくなり、とても
楽しそうにもなる。私の方も心配したり、安堵したりのくり返しとなる。
そこから抜け出せることはなさそうにも思うが、どんな状態でもも彼女の
側にいると癒される。今日もうとうととして、みどり先生に腕を揺すられた。
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