みどり先生が倒れてからはずっと睡眠薬に頼っており、それもみどり先生が
選んでくれた幾つかを交互に使ってきたのだが、それらを飲んでも眠れない
ようになってしまった。理由は数多くある。1 仕事が本当にこなせるかと思う
ほど詰まっている。2 どうやら成人後見人として彼女の預金や資産を充当し
てもかなり支払いには足りないように思える。3 まだまだ多くの解約や住所
変更などの手続きが山ほど残っている。4 彼女の退院後の住居や生活の
見通しが立っていない。5 それになによりもみどり先生自身のこと。本当は
苦しいだろう、痛いのだろうなどと思うと、そのように生きていくのがかわいそ
うでならない。彼女が喜ぶのは「ずっとコーチャンと一緒に生きていくんだ
からね」」と何度も何度も話すときだけだが、果たして私は彼女に喜びや楽し
みを与えて上げられるだろうかという懸念がつきくとう。彼女と噛み付き遊び
などをしている時にはそうした心のつながりが二人の幸せなんだと本当に思う。
でも、たぶんそれも一時的なものだろう。彼女の身体は本当の健康状態に戻
ることはなく、彼女の精神も全く過去のものではない。常にハラハラしながらも
自分ではどうにもならないという日々を送らなければならない。いつも思うのは
もっと強くならなければということ。
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