今日はみどり先生が倒れてから3か月目。身障者手帳の申請が3か月以降な
ので三鷹市役所へ行き手続きをした。これも急ぐ理由があり、今年中に身障者
となれば来年の確定申告で身障者控除を受けることができる。また身障者用
の住宅の申し込みなども身障者手帳がないとできないので、早く取得して早く
買うか借りるかしなければ身障者用の設備などへの改造も含めると5月後の
退院に間に合わない。窓口の話では実際の手帳発行は来年でも、認定日は
年内になりそうということだった。
用事の後に遅く病院に着くと、みどり先生は両足を高々と上げていた。これは
普通の人にもかなりの運動となるので、リハビリとしては良いかもしれないと
思う。いつものことだが最初はそのように我慢しているけれど、看護師さんが
オムツ交換をしてくれないとぐんぐん機嫌が悪くなる。元気になるにつれてこうし
たことをとても嫌がるようになってきた。「でもねえ、みんな食事中だからオムツ
交換はできないんだよ」と説明し、我慢してくれるようにいうと、続けてペラペラ
と言葉を喋った。ハ行とか、カ行のように喉を使う言葉はまだ発音できないので
私にわかったのは「イヤ」という言葉だけだった。そんなわがままいってはだめと
いい、みどり先生が患者さんにいってきたのは「病気とうまく付き合いなさいで
しょう。みんなそれを聞いて自分の不幸を嘆くよりも、前向きに病気に立ち向かえ
るようになったと感謝してくれているだよ」と話すと、涙を浮かべ、その後はむしろ
笑顔すら見せてじっと我慢していた。これだけ話を通じ合えたのも久しぶりだし、
みどり先生が喋ることで会話が成立したのは初めてのことだった。彼女の人格は
崩れていない。
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