容易に進まない書類整理を続け、どうなか夕方までに会計事務所に届ける
ことができそうな状態までこぎつけた。病院ではまた発声練習を続けたが、
やはり声を出すのが苦しいのか先には進めない。終いには怒ってまた手に
噛みつこうとする。でも、看護師さんに声が出るといって、あいうえおをいって
もらうと、今度はかなり楽に(それだけ雑ではあったが)喋ってくれた。お茶
の先生ご夫妻がお見舞いにいらっしゃったので、もう一度いってもらうと、今
度も喋ってくれた。次に進むよりもあいうえおを何度も喋って発声に慣れて
いってくれた方が良いとも思う。発声さえできれば言葉は知っているので、
いずれは話ができるようになるだろう。何よりも声を出すことが重要だと思う。
まだまだ発声にはかなりの苦痛をともなうことも事実だし、彼女の厭世的な
気分は続いているけれど、何とか何とか頑張ってほしい。今の彼女の気持ち
としては、何でいまさらあいうえおだと腹立たしい面と、それでも声を出さなけ
れば話もできないという面の両方があるのだと思う。お茶の先生は私におい
しい鱧寿司を下さった。みどり先生と一緒に食べられればどんなに素敵だろう
とも思う。
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