みどり先生と私との出会いについては本好教授からさんざ聞かされたと
いう人が多い。確かに彼女が本好教授の案内でユートピア牧場を訪れた
とき、私は「競馬ブック」の取材で来ていて、彼女が「あ、山野さんだ」と
駆け寄ってきた。「室蘭には素晴らしい場所があるんだよ」と私がいって
金屏風などを案内した。むろん本好先生も一緒で、彼女の車でホテルま
で送ってもらって二人と別れた。みどり先生は私に一目惚れだった。つまり
それだけいい加減な恋だったともいえよう。東京に戻ると、PCに強い友人に
「とても素敵な人に逢ったのよ。住所を調べて」といったそうだ。それで私
のところに手紙が来たが内容はどうということのないものだった。私は東大
医学部出身の女性などという存在に興味があって、お食事に誘った。みどり
先生はあがってしまってどこでどんな料理を食べたのかも覚えていないと
後にいっていた。当時は帝京大学市原のICUにいたので、ユートピア牧場
の育成場となっていた大東牧場が近く、次のデートは大東牧場⇒帝京大学
⇒みどり先生の行きつけの千葉のお店というコースになった。
やはり頭の良い人というのは簡単に話が通じるので私にとつては得難い
友達と思った。そしてお互いに自分の仕事を持ち、それぞれが自立した存在
として別居のまま結婚することになった。それでも二人が本当の愛情で結ば
れるのはずっと先のことである。
今のみどり先生にはその頃のような理性はない。いや、理性そのものはある
のかもしれないが、それを私が知ることはてきない。残されたものは愛情だけ
で、それも今の彼女に私への愛があるかどうかはわからない。あっても私が
感じているのとは全く異質のものだろう。今の彼女は自分のことで精一杯だ
ろう。ずっと苦しみと戦っていかなければならない。私の一方的な愛でしかな
いというべきかもしれない。
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