おそらくみどり先生の快復振りに一喜一憂する時期は終わったのだろう。
車椅子でのリハビリもぐったりした感じで寝ているときとさほど変わらない。
テレビを少し見るとすぐに飽きてしまったかのように横を向いてしまう。あま
り感情表現がなくなり、以前のように泣いたりもしない。返事はできるが、
少し首を下げて頷く程度になった。生きる希望を失ってしまっているように
も思える。声は出るのに言葉を喋ろうとしない。じっと食事の管に落ちて
いくのを眺めていたり、じっと私の顔を無表情に見つめていたりする。見て
いてとても辛いけれど、何かみどり先生の喜びがないかと考える。私は彼
女の生きる意味を見出してあげられるのだろうか。それでいて身体は満足
なものではないだけに、時々苦しみが襲ってくる。そういえばまだ彼女の本
当の笑顔はみられない。所詮私は健常者で、みどり先生はベッドの中だけ
の生命だ。希望を持つとしても彼女自身の希望となるものでなければなら
ない。良くなってくれと考えるのはあくまでも健常者の優位な立場からの
ものでしかない様にも思える。明日はJBC。彼女に付き添えない2度目の
日となる。
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