みどり先生のマンションの引越しも終了した。大きな3LDKに多くのもの
が一杯あって、それらの多くにはみどり先生との思い出が偲んでいる。
もともとこんな大きなマンションに住むようになったのも、私と同居するた
めだった。私は自分の仕事場が必要といって動かず、2人で多額の家賃
を支払って別居してきた。みどり先生が私の家へ来たり、私がみどり先生
のマンションに行ったりという毎日だった。そのうち、みどり先生の家が物
で一杯になっていって、お正月なども私の家で過ごすのが普通になった。
みどり先生は毎日疲れて家の片づけができなくなっていた。最近は外で
食事をし、それぞれに帰るのが普通になってしまっていた。何度か「私の
ところに住んで、仕事はそっちですればよいじゃない」といったのを聞き入
れていれば、彼女をここまで疲れさせなかったかもしれない。
クリニックとマンションの引越しで完全にみどり先生の生活の足跡が消えて
しまったように思える。5時まで続いた引越しの後に病院へ行くと、昨日とは
大きく違って38度の熱を出し、とても苦しそうだった。私がずっと手を握って
あれこれと話しかけると、ようやく深い眠りに入った。みどり先生ごめんなさい。
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