今日も朝から彼女のマンションで書類探しを続けている。きちっと整理を
しているので、場所が判明すれば必要な書類が揃っているのだが、用心
深い人なので隠し場所が容易に見つからない。やはりみどり先生の部屋
へ行くと何度も泣いてしまう。そしていたたまれずに戻ってくる。オーストラ
リアの持ち馬は全て売却することにして、調教師さんにお願いした。社台
の馬についても吉田照哉さんにお願いして何とかしてもらえそうだ。
多くのことは次々解決していくけれど、やはりクリニックの問題が大きくのし
かかる。レントゲンなどの撤去にも百万円単位のお金が必要となりそうだ。
いずれも当座を凌げば私の収入で何とかまかなえる額ではあるので、いろ
んな人に協力しもらってクリアしていく以外にない。こういうときにみどり先生
を多くの人々に愛してくださっていたことが何よりの手助けとなる。
私と同じように口が悪く、本当のことを言うにはばからないみどり先生だが
それが正しいことで相手を思っての助言と気付くと彼女の素晴らしさがわか
るということだろう。人の美しさというのはそうした嘘のなさが生み出すものと
思う。たとえ、喋れなくなっても、彼女の目や仕草は多くの人にそうした助言
を与え続けそうに思う。死なせないよ。絶対に。
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