古本ですごい値がついているというので検索してみたら、な、な、なんと、
3万円だって。オークションで奮発して買ってしまったというのが3,600円
というのもあったが、もう最低値でもその程度なんですね。でもそのわりに
は読んでいる人も少なくなく、図書館にはそこそこ置いてあるところがある
ようです。このまま復刻をさせないでおけばどのくらいの値までいくだろう。
幻の名作ってのがいいな・・・なんて他人事みたいだけれど、なにしろ30
年近く前のものだから、本当に他人事みたいな感覚しか持てなくなってい
る。あの頃って精神病院から電話がかかってきて、看護師らしき人と大喧嘩
している声がいきなり聞こえてきたり、富士の樹海の入り口から電話がか
かってきて一度話したかったといってきたり、深夜に電話で私が書いていな
い小説の感想をさんざ聞かされたり、家の前に恐ろしい形相の自画像なる
ものが置かれていたり、精神病院から退院してすぐに駆けつけたという青年
が、どうして自分の考えている通りのことが書けるのかと詰め寄られたり(
すぐにお母さんが追いかけてきてくださって助かった)というようなことの連
続で、私のような作品を書く作家の多くはそうしたことが原因で自殺に追い
込まれていったのではないかとも思う。他人事と感じることができるように
なったのは本当にありがたいし、まあ,歳をとったということでもありますね。
ネット上ではゲシタルトかゲシュタルトかという話題が結構多いけれど、当時
はゲシタルトという表記のほうが多かったのです。gestaltだからゲスタルトか
ゲシタルトが普通の表記というべきで、ゲシュタルトは発音に引きずられた
表記という気もしないではない。
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