私は映画の全盛期に映画作家としてデビューし、SFアニメのブームに
SFアニメの脚本を多く書き、SF小説の全盛期にSF作家として今も読み
継がれるな作品を書き、世界文学への関心が高まったときに世界文学
を紹介し、競馬ブームとともに競馬評論家として知られるようになった。
私の行くところブームがあるという感じだが、今、映画に戻ろうとしてい
ると、やはり映画バブルだという。何よりも映像ソフトの争奪戦がすさま
じく、少しあたりそうな映画の企画には映画と全く無縁の企業や投資家
までが参入する。そうして大量の映画が作られても、多くはお蔵のまま
公開されず、ヴィデオやDVDの発売もないまま終わるという。大島さん
が病気に倒れ、篠田さんが映画作りをやめるというように、著名な監督
がいなくなって、多数の新人監督が登場しても決定的な大物が登場せ
ず、足立監督への期待が集中する理由もそんなところにあるのだろう。
とはいえ足立はあくまでも前衛映画の監督としてみられているし、今回
の「幽閉者」もわかりやすい作品ではあるが、やはり特殊なテーマを扱っ
たもので、映画はもっと世界の多くの人に受け入れられるものでなけれ
ばならない。足立監督や小野沢プロデューサーが私に脚本依頼してきた
理由もそこにあって、やはり前衛的ではあるが現代社会を扱って世界的
に評判を呼ぶものとなる可能性の高い作品として取り組んでくれている。
もう一人の清水プロデューサーは大島作品を手がけてきた人だが、とても
このシナリオを気に入ってくれて資金面などにもかなりの自信を抱いて
いらっしゃるようだ。今の段階で50%、もう少しすると70%位まで製作の
目処が立ちそうに思っている。なかなかの楽しみとなった。
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