もとの慶応義塾大学教授でJRA運営審議会委員を務め、一頃は競馬関係
のエッセイなどを多く書いていた西野広祥さんが3月7日、71歳でなくなられま
した。西野さんとは彼が浪人生活をしていた頃からの友人で、美浦トレセンがで
きる前には吉永現調教師、大崎元騎手、故中島騎手といった府中の当時の中
堅騎手たちと親交が深く、騎手たちと私たち物書きグループとの仲介役でもあった。
西野さんの呼びかけで福永洋一さんのお祝いの会をして、寺山修司なども集ま
り、楽しい時間をすごしたが、あの事故はその直後のことだった。西野さん自身は
中国との国交回復とともに早稲田大学助教授、慶應義塾大学教授と栄進し、騎手
たちとの付き合いも減っていったが、長い時間の後に柴田政人騎手のお祝いを
おなじ多磨霊園のジュンで開いたら、また柴田騎手も落馬して引退に追い込まれ
てしまった。私を通じての付き合いがそうだっただけかもしれないが、どこか暗い影
を背負っているような面があり、西野さんの死に接するとそれがどっと押し寄せて
とてもメランコリックになる。最後に会ったのは内村元理事長の一回忌のときで、
すでに身体は弱っていて、とても痩せ細っていたが、昔と同じような人懐こい笑顔を
私に向けてくれた。いろんな人の不幸を背負ってあの世へ旅立っていったようにも
思える。 合掌。
御通夜は3月10日午後8時、告別式は3月11日午前11時、いずれも代々幡斎場。
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