
私が現代日本で最も優れた作家と考えている樺山三英さんと、最も優れた文芸評論家と考えている岡和田晃さんに倉庫整理を手伝っていたたき、必要な書籍を持って帰って役立てていただくことにした。樺山さんは主に世界文学系の書籍中心にダンボール箱1つ。岡和田さんはLocusのバックナンバー1箱とか、オーストラリア関係書1箱とか、マイナー出版を中心に雑多な図書など3箱、計5箱を近くのセブンイレブンから発送しました。2人の読書量も素晴らしいものだが、それ以上に読書しての消化、吸収、理解してその上に積み上げるべきものをきちっと表現していく手腕がずば抜けている。樺山さんとは初対面だったが、何を話してもすぐに通じるのはさすがと思った。伊藤計劃、円城塔、樺山三英の3人が同期デビューというのも何の奇跡かと思うが、伊藤計劃以降という大革命はSF界のみのことではなく、日本文学に起こって奇跡なのだろう。でも、人生経験とか、自己中心的コンブレックス発露とか、まるで世界文学とは無縁の世界に育ってきた日本の読書界にそれが理解されるかどうかという点ではやはり絶望的といわざるをえない。こちらの面では一般読者に頼らなくても、アカデミズムとか、ゲリラ的な読書トークとか、ネットによる展開などそれなりの手法を活用しながら全く新しい評論活動を展開している岡和田晃さんに期待する面は大きい。
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