パーティに出席いただいた本村先生とは喧嘩友達でもあって、下らない議論をムキになってすることが多いのだが、東大名誉教授、ローマ史の大権威というような先生とはそうなってしまうのかもしれない。数多くの世界史全書的な書籍ではかなり常識として積み上げられた世界史観のお勉強のための著書がほとんどだったのだけれど、このいかにも初等世界史的な表題の著書はかなりすごい。おお、本性を現したなというところで、「四大文明」などという考え方は日本だけのものだとか、愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶとか、世界では同じことが同時に起こるとか、なぜ人は大移動するのかというような見出しだけでも常識への力強い挑発をビシビシ感じさせる。結びではすべての歴史は現代史であると、本当の教養の意義を語っており、全面的に納得の世界史観となっている。書名でスルーしてしまってはもったいない名著です。
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