
これは日本で書かれた世界文学・・つまり本当の文学です。つまり日本で文学と呼ばれているような自己中心的な欲求とか、経験的コンプレックスとか、感傷とか、人間関係における悩みとか、期待とかいったものが全くなく、真理の追及とか、世界観とか、人間存在とか、神への怖れや愛に向けてまっしぐらに語られていく。そうした世界文学はセルバンテスの「ドン・キホーテ」に始まり、ドストエフスキー、カフカなど多くの偉大な文学を経て、現代文学に受け継がれてきた。そこには確かにドン・キホーテに始まる歴史や世界や空間が開け、現実世界にはない思念の積み重ねがある。そしてそれこそドン・キホーテの消息であり、多くの世界文学の作家たちが書き継いできたものの行くえといえよう。おそらく日本で文学と称しているものと違いすぎるので、さほど多くの人に読まれることはないだろうが、いずれイスパニア語圏の、たぶんラテンアメリカの作家に見いだされて翻訳され、それが翻訳の形式をとった作品と考えられて英語や仏語、独語に訳され、日本の翻訳家がそれを日本に翻訳してようやく日本でも話題になるのではないだろうか。それを読んだ樺山さんは「あ、これは私が書こうとし思っていた作品だ」と・・・。
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