


NW-SFのメンバーとしてかなり長くお付き合いがあったけれど、一度も作品を書かなかった新戸さんだが、その後はニコラ・テスラの関する多くの著作などを通じて大活躍でNW一門の文壇でのグレードアップに貢献していただいている。なにごとにもおっとりしている新戸さんらしく晩婚となったが、お相手の堀千恵子さんもジェニファー・ロバートソンの「踊る帝国主義」など多くの名訳でしられており、ロバートソンさん自身も披露宴に出席して達者な日本語でスピーチされていた。お互いこの年になってようやく出逢えた相手という素晴らしいカップルだった。横浜港クルージングが会場で、一度乗りたかった船でもあったが、たまたま奇跡的にみどり先生のショートステイで空いている日に当たったので出席できた。9年間で2度目というすっごく稀な的中だった。
久々に巽、小谷夫妻ともゆっくり話せたし、FBだけでの知り合いだった高梨さんとか、学生時代からの親友だった白石さんとも逢えて非常に有意義なナイトクルーズだった。白石征さんは新書館の編集長として寺山修司との付き合いも長期にわたり、その間もずっと演劇活動を続けていたが、最近「望郷のソネット」という寺山修司伝記、寺山論を合成したような著書を出している。寺山論も、寺山伝も、多く書かれているが、取材で書かれたものはほとんど書き手の期待や思い込みによってそういう部分だけを取材してまとめられているので、結局は寺山修司を書き手レベルまで凡俗なものにしてしまっているが、さすが白石さんはじっくり一つ一つの言動を考察して寺山修司の実像に近づけていると思った。そういえば白石さんを新書館に紹介したのは私だった。新書館が「X電車で行こう」を出してからで、寺山修司は白石さんについて、何を考えているのかわからないなどと評していたけれど、瞬発的に理解できる部分だけで解った気になって反応するような人でないからだろう。その後の白石、寺山の長い交友がそれを証明している。新戸さんも同じタイプで、二人が気が合うのもよくわかる。何かゆったりとしたクルージングができたような気持ちでとても楽しかった。
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