おそらく吉田善哉さんにとって最も思い入れの深い馬の1頭
だっただろう。この馬を買うとすぐにフランスに入厩させ、
あえてシャダイの冠ネームを使った。凱旋門賞に向けて着実
に成長し続け、人気馬の1頭となったが、近づくと「山野さん、
応援に来てくけれないだろうか」と善哉さんからの電話を受け
渋っていると「勝てそうなんだ」と念を押す。むろん私も
行きたがったが、そのような高価な招待を受けるわけには
いかないので「自費でよろしければ」と参加することにした。
凱旋門賞は初めてで、私にもすばらしい経験となった。リアル
シャダイは好走して四着となったものの、善哉さんにはかなり無念
だったようだ。種牡馬となってからもノーザンテーストと首位
を争うようになり、「見ていなさい、すぐに入れ替わるから」とノ
ーザンテーストを目の敵にするほどだった。リアルシャダイはついに
リーディングサイヤーとなったが、なぜか善哉さんの死とともに
ほとんど活躍馬を出さなくなり、まるで善哉さんのためにのみ
活躍馬を出し続けたかのようだった。
27日の民平さんの死に関する記述で、市川場長も大変だろう
と述べたが、市川場長もまた昨年亡くなられていたそうだ。
それもまた民平さんにはショックだっただろう。遅ればせなが
ら市川場長のご冥福を祈ります。
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