当然予測されたことではあるが、意識がしっかりしてくると自分の現在の状況に
対して深刻に考えるようになる。彼女自身はそうした状態にあることの意味も理
解していて、ヘルパーさんが自分のために苦労してくれていると思うので、食事
なども少しは食べるのだが、すぐに舌で押し出すようになる。時間をおいて食べ
させるとやはり同じことを繰り返す。今までは生きることに積極的で、リハビリな
どもセラピストの指示以上のことをして驚かせたものだが、おそらく自分の回復
の限界も理解してしまっているのだろう。特に問題となるのはお通じで、家では
ほとんど問題なかったのだが、ここへきていつも薬を使わなければならなくなった。
自分なりに恵まれた環境にあり、可能な限りの楽しい生活を送らせてもらってい
ることもわかっているが、だからこそそれ以上に望めず、自分で何もできないこと
がとても口惜しい。
できることは彼女がおいしいと思うものを可能な限り用意して、たくさんのミュージック
ビデオを次々と見せてあげて、気持ちを安らかにするだけだろう。でも、そういうこ
とって普通の生活でもある程度あることでもあるなと思う。
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