みどり先生は介護保険の要介護5、1級重度障碍者なので、フルのサービス
を受けることができる。状態が良ければ基本的に食事と排泄と入浴と通院
の世話だけだが、食事は形状的にも材質的にも限定されているので、それ
に応じて味覚を工夫しなければならず毎日3食はかなり大変だ。すべての
食材について噛まなくてい柔らかさと口の中でバラバラになって飲み込め
なくならない程度の固さが求められる。ワルファリンを常時服用している
ので納豆、海草、青物野菜など使えないものも多い。お魚は骨が残れば大
変なので、骨のない状態になるものでなければならない。ソーセージのよ
うなものも皮が剥けることとか、固さが問題となり、粗挽きはおおむねだ
めとか、皮なしはむしろ皮が剥けないので薄い皮が残ってだめというよう
に、すべての食品が微妙な課題を背負っている。日曜日以外は1食だけヘ
ルパーさんや介護福祉士さんに食事介助をしていただいているが、これが
人によって大きな能力差がある。まかしておけばどんな料理(みどり先生用
の食事なら)完食させてくれる人から、最初から全く食べさせることができ
ない人までいて、全く食べない人の時は私が少し食べさせてからそのように
しっかり食べるよういって聞かせると頑張って食べる。ただ食べるのに相
当な苦労をするようで、もう終わりにしましょうというと「ふー」とため
息をつく。最もひどいのは私が行くとわっと泣き出して、かなり長く泣い
ていたことかあった。相当につらい思いをさせられたようだ。
看護師、介護福祉士、ヘルパーの間には大きな差がなく、むしろ入院中の
看護師に最も下手な人が多かったようだ。基本的には相手への観察力の問題
で食べられない場合はどうして食べられないのかを考えるかどうかだが、
これは要するに介護に対する姿勢の問題でもあろう。
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