原子力発電所に関しては明らかに東京電力のミス、というよりも大規模な
過失傷害だろう。内部の専門家の中にはこういう事態に発展する可能性を
予測できた人も少なくないのではないだろうか。マスコミも東電と政府の
いうがままに終息に向かっているという御用評論家ばかりの発言を流し続
け、核汚染よりもパニックを恐れたのが大きな罪だと思う。また、ロシア
やアメリカの経験を生かそうとする海外からの批判をほとんど報道してい
ない。実際はパニックが起きておかしくない事態になっているし、パニッ
クになっても過剰に懸念するほどの事態に発展することもないはずだ。
計画停電に関してはもっと大きなミスや嘘があると思う。経済活動や日常
生活に最低限の影響で済ませるような方法をきちっと考えているとはとても
思えない。関電などから電力を供給してもらうのは交流サイクルが違うので
できないというけれど、実際に電車は直流で走っている(交流地区もあるが)
わけだし、工場などでも直流変換をしているところは少なくないはずで、直
流、交流の転換ができる施設は決して少なくないと思う。また、8月に電力
需要のピークを迎えるというのなら、それまでにトランスフォーマーを建設
するのもさほど難しくないように思う。要するに目の前のこと、手の届く範
囲のことですべてを解決しようという非常に幼児的な仕事しかしていないの
ではないだろうか。
計画停電に対して多くの人びとは「被災者のことを考えれば我慢しなきゃ」
という。そういう自粛感覚は被災者を助けるものではないが、そんな自粛気
分に甘えているのが東電でもある。いま頑張って被災しなかった人々が自分
の仕事をしなければ、被災者へ向けられる経済基盤が失われてしまう。そん
な経済活動をもっと真剣に考えなければならない。
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