あまり知られていないのだが、医療技術者として医師、看護師とともに極めて
重要な仕事にセラピスト、日本の法的には療法士という技術職がある。みどり
先生の今後にとって最も重要なのもセラピストで、あまり知られていないように
実際に優れた人材が集まるわけではないようだが、永生病院グループはさすが
東京の3大リハビリ病院といわれるだけあって優れたセラピストが揃っている。
セラピストにはフィシカルセラピスト、オキュペショナルセラピスト、スピーキング
セラピストなどがあって、専門学校、または大学の所定のコースの卒業と国家
試験合格による極めて難関の免許を必要とする。しかも、医師や看護師と違っ
て最初からフィシカル(理学療法士)オキュペショナル(作業療法士)スピーキング
セラピスト(言語視覚療法士)などの分野単位で学習し、国家試験もそれぞれ別
個の免許となっている。医師でいえば最初から内科、麻酔科などと分かれてい
るようなものだ。それだけの専門職で、専門学校の3年間、または大学の専門
課程の2年間専門分野だけをびっしり勉強することになり、これだけの専門課程
は医療や介護に類例をみない。どういうものかを簡単にいうと、人の身体という
機械を修繕するエンジニアといえばわかるのではないかと思う。筋肉、腱、靭帯
神経など、身体のメカニズムを完全に把握して、何が何と関連し、どこを動かした
り刺激したりすればどのように動くかということを熟知して、リハビリテーションを
おこなうわけで、実際に優れたセラピストの仕事を見ているとまるで魔法のよう
に身体が動くようになる。私が永生病院の近くに住む決心をしたのも、何よりも
そうした優れたセラピストはさほど多くないからで、この仕事は単に熱意や経験
以上に才能や天分を必要としているからだ。
セラピストの高度な技術を知らない人が殆どで、マッサージ屋さんとか、あんま
師というような人も多いのだが、そのように世間から理解されないまま高度な
エンジニアリングを続けているセラピストたちには大きな敬意を抱いている。
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