みどり先生のような状態でこれだけ平穏に生きていけるというのはさまざまに
驚異と思う。もともと医師としてはむろん、他の何事に対しても野心めいたもの
がなく、さほどの執着もないので、前の状態では前の状態なりに、今の状態で
は今の状態なりに生きていくことができる。それでいて常に毅然とした自立心
もあって、今でも自分でできることには歯を喰いしばって頑張るようなところが
ある。それが彼女の生命力にもなっているし、生きていることの喜びにもなって
いると思う。最近は小水をオムツにするのも嫌がるようになって、何度もトイレ
に連れて行けというのでなかなか大変だが、私が忙しそうにしていると我慢し
てオムツにしてくれる。そういうこともわかると何とか頻繁にトイレに運んであげ
たいとも思う。舌の不随意運動でお薬がうまく飲めずに吐き出してしまうことも
あるけれど、そういうときにお薬だからどうしても飲まなければだめだというと、
どうしてできるのかと思えるほどうまく舌の不随意運動を抑えて飲むようになる。
こうしたことが私に彼女への敬意を保たせている。そして元気な時にはわからな
かった彼女の優れた人格を改めて教えられる。
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