最近のみどり先生は私が介護してあけているととても幸せそうで、
過去になかったような笑顔を見せる。こんなことが幸せで本当に
いいの? と思うことも少なくないが、書類などに現れた過去のみど
り先生の仕事内容がわかるにつれ、本当に辛い毎日だっただろう
と思うし、どのみちその時代も楽しいのは土日に私と競馬に行ったり
夕食をしたりすることだっただろう。そう考えると本当に今のみどり先
生はやはり幸せなのだと思う。ただ、そのせいでみどり先生にも気の
緩みがあるようで、リハビリの進行が芳しくないし、食事も面倒なもの
を避けるようになっている。一頃好んでいたごはんとか、お肉などを
あまり食べなくなった。これには舌が不随意に動くこともあって、ご飯
のようなバラバラしたものが口の中でまとまらなくなっているようだ。
歯磨きのときも舌が邪魔をするし、好きなものでも舌が勝手に外へ出し
てしまう。随意、不随意はかなり変化をするようで、かつての首振り運
動は完全になくなり、足などはよく動くようになったけれど、かつて手を
高く上げることができたのに、最近はそれが難しくなっている。上げると
痛いの? と聞くと頷くが、どうも痛みとは違うようでもあり、思うように上
がらないようだ。言葉も一頃より喋ることが少なくなっているし、手を握っ
たりすることも少ない。まだ、あと3か月頑張らなきゃいけないよ、という
と頷くのだが、手を上げてごらんというと悲しそうな顔で私を見つめる。
こんなとき比較的有効なのが、力を抜いて、という言葉だ。力を抜くと
ある程度動くようになり、舌や手もコントロールできる。大切なのはリラッ
クスなのだろう。その点では今のみどり先生の幸せそうな顔はとても彼
女によいものと思う。たぶんこれは健康な人にもいえることなのだろう。
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