朝早く武蔵野赤十字病院へ行き、最後の荷物整理をし、看護師さんに
外へ出るための暖かい寝間着に着替えるようお願いし、退院手続きや
支払いを済ませると搬送車が到着した。看護師さんたちにそそくさとお
礼をいって出発する。さすがにみどりさんも不安げだったが、じっと車窓
の外を見つめていた。永世病院に到着すると慌しくドクターと看護師さん
に赤十字病院からの引継ぎお手紙を渡し、それ以外のこまごまとしたこ
とを伝える。痰取りは頻繁にお願いしますとか、血圧が低めなのでリハ
ビリの最中には気を使っていただきたいといったことで、ドクターからは
最終的にはどうするのかと聞かれたが、これはどの程度回復するかに
よって違ってくるので、とりあえず3か月の車椅子、発声、口径による食
事の訓練をお願いした。3か月でさらに進歩が見込めそうならさらに3か
月リハビリを続け、その後はしばらく温泉での療養を予定している。3か
月後には私の方も決断しなければならず、彼女と暮らせるような家を買
うか借りるかしなければならない。入院手続きとか、さまざまな手続きを
して病室に戻ると、最初の食事が投与されていた。分量が倍ぐらいあった
ので調べると水を補給しているようだ。私も赤十字病院の食事では水が
足りないのではないかと思っていたので、たぶんこちらが正しいのだろう
と思う。さすがにみどり先生も環境が変わって少し緊張しているようだった
が、こういうときは一人にしてほしいものだし、彼女はもともと自分で何で
もする性格だったので「一人にして欲しいのなら帰るよ」というと、強く頷い
た。それはこれから自分で頑張るという意思を感じさせるものでもあり、
しばらく付き添っていたいという私の感傷を吹き飛ばすものでもあった。
たぶん、彼女は頑張ってくれるだろう。彼女の人生の新しいワンステップ
を踏み出したと思う。
永生病院は京王線めじろ台から徒歩10分。中央線西八王子からタクシー
で10分。西八王子からバスで20分くらいです。リハビリ病院なので今まで
のようにゆっくりお見舞いというわけにはいきませんが、いらっしゃる場合
はリハビリが終わっての夕刻(8時まで)が良さそうに思います。
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