クリニックヴェルデでは事務員さんと看護師さん3人でさまさまな片づけが
進行している。私はあちこちに連絡したり、書類を調べたりして会計事務所
からクリニックへ行った。もう主だった課題は解決しつつあり、順調にいけば
ほとんど処理できそうだ。クリニックのスタッフには大感謝しなければならな
いし、業者の人たちもさまざまに協力してくれている。これもみどり先生の人
徳というものだろう。恐ろしく疲れてみどり先生に会いに行くと、今日からICU
を出て、全くの危機から脱したHCUに移っていた。浴衣を着るようになったの
で、2着新しい浴衣を買い足し、使った浴衣を洗濯のために持ち帰ることにし
た。まだ管を通じてだが食事も胃に入れるようになった。声に対する反応も
強くなり、ぐんぐん回復していると思う。そんなみどり先生を見ていると疲れも
吹き飛んでしまう。ドクターはまだまだ回復が満足でないとお考えのようだし、
良くなっていると思うのはあくまでも素人判断かもしれないが、私には命を
取り留めてくれただけでも嬉しく、私の人生でこんな素晴らしいことはなかっ
たように思う。オーストラリアでのパンプキンポットも売れ、探していたコンタ
クトレンズや当日の彼女の現金も見つかり、どうやらバッグを紛失していない
のではないかと思える。あとはもっと家を探し回れば残りの書類もみつかる
のかもしれない。借金のある銀行の口座では今月分をすでに返済していて、
来月分も準備されていることがわかった。みどり先生はいろんなことをきちっ
と間違いなく処理しているものと感心しきりで、少なくとも当座は途方に暮れ
なくてもよさそうだ。みどり先生は医師として素晴らしい医療をしてきただけ
でなく、クリニックヴェルデの経営に関してもほぼ満点といえるほどの手腕
を示していることがわかった。やり残したことは後継者の育成で、実際にそれ
に取り掛かっていたのに本当に残念だ。このようにみどり先生の仕事振りを
調べることになるとは考えられなかったが、調べる必要に迫られて辿ってい
くと、想像できないほど立派に全てのことに対処していた。でも、みどり先生
だけでなく、このように素晴らしい仕事をしていても誰にも気付かれないと
いうケースは多いのだろう。
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