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2007年 09月 02日
パシフィカ横浜はおそらく日本で最大の会議室群と展示場を持っているのでは
ないだろうか。それを全て借りきり、インターコンチネンタルホテルも大半は参加 者で埋め尽くされていて、規模からいうと一つの産業の国際展示会なみといえる だろう。参加者の多くはさまざまなコスプレで装っていて、頭の上にプロペラをつけ ていたり、猫の耳をつけて一応異星人ですという程度のが多いけれど、浴衣姿の 外人も非常に多かった。私もスーツにネクタイ、ビジネスバックというコスプレ(他 にはまずいない)でサイン会には行きました。途中で石川喬司さんに会ったので、 無理やりサイン会に連れて行ったけれど、何人かのサインをしたところで仕事があ るとかで途中で帰ってしまった。次々とサインをして30分に数十冊のSpecurative Japanのサインをこなしました。良く売れたものです。 自腹で日本までこれだけの人々が来ているのだから裕福な人が多いものでもある。 SFファンダムというのはそういう豊かな人たちが自分たちで世界的なコンペンション を開いて、自分たちの楽しみを精一杯広げるというところですね。ある種のユートピア だとは思うし、みんなお行儀か良くて、会場運営も外国人を含むファンたちが自主的 におこなっていて、それがほとんど滞りなく進むというのも驚異的と思う。その点で 豊かさとともに英語が喋れるなど、さまざまな教養もまた必要な世界でもある。 シルヴァーバーグさん、ベンフォードさんといった大家たちも気軽に話しかけてくる。 私たちのサイン会の前がベンフォードさんだったのだが、「おや、ニューウエーヴで すか。私はオールドウエーヴだからね」というので、「いや、あなたの作品はニュー ウェーヴのファンにも愛されていますよ。ニュートラルウエーヴではないですか」と 初対面の私もすぐに冗談を返せる。そういうのがSF界で、つまるところSFという文 学ジャンルが衰退しても、SFファンダムというのはもっと大きな理想の元に集まり、 永遠にギリシャの市民社会のような世界を守り続けるのではないかと思う。 率直にいって今回のワールドコンに参加してSFファンダムへの考え方を改めざる を得ないとも思った。むろん、こういうところに参加できない貧しい人々やマイノリ テイ(そういえば黒人はほとんどいない)があるわけだし、英語が喋れなくて孤独に 参加している人もいるわけではあるが、それはそれで別問題として、こういう世界が 持続していることには大きな意味があるとも思う。 記事の下に広告が表示される場合があります。この広告はexciteの広告枠で、当ブログとは無関係です。
by yamanokoichi
| 2007-09-02 11:27
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