川崎にある足立組のスタジオへ行き、ワンシーンの撮影に立ち会ってきた。
昔のように大掛かりな照明は不要だし、モニターで画面をみながらの演出
で、一見テレビの撮影とさほど変わらないように見えるが、やはり画面作り
は全く違っていて、カメラ、録音をはじめとするいろんな専門家がああでもな
いこうでもないと、とても時間をかけて撮っていく。改めて映画は芸術なん
だと思う。プロデューサーとも話したことだけれど、映画の世界は昔からの
映画人と、タケシあたりの新しい人たちとの間に大きな断層があり、両者は
ほとんど接触もなく、それぞれに映画をつくっている感じだ。
足立はずっと古い世代のホープとして大島渚の後継者とかんがえられてき
たし、30年ほど映画から離れていても、その状況は変わっていない。だか
ら足立の新作は古い映画人には大きな期待を抱かれると思うのだが、今の
映画ファンにどのように見られるかがなんともわからない。
撮影はもう1/3くらいまで進んでいて、明日の朝日新聞には最初の紹介が
でるということだ。「幽閉者」というタイトルで、テロイストが自爆しそこなって
捕まり、さまざまな拷問を受けて廃人となっていくという恐ろしい話で、むろん
テルアビブ事件の岡本公三がモデルとなっている。足立の画面作りは昔とほ
とんど変わっていないのにも驚いたが、私自身も脚本を書くと「デルタ」との
共通性が大きいのに驚いたので、やはり芸術というものは同じものの追求
なのだとも思う。私の脚本は3/4まで進んでいる。
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